今日は本の紹介をします。
「これが物理学だ!」という本です。
この本は、理系の方ならたぶん憧れであるMIT、マサチューセッツ工科大学のウォルター・ルーウィン教授の本です。
この方の授業の一部は、インターネットで公開されていますので、興味のある方は、是非探してみてください。
この先生は、X線宇宙物理学の第一線の研究者ですが、教育の場面でも、とても注目を集めている先生だということです。
教養課程での物理学を専攻しない学生に対する授業が、絶賛されているそうです。
たとえば、
「振り子の周期は、おもりの重量に係らず、一定である」というのを実証するために、教室に大きな振り子を設置して、そのまま揺らしたときの周期を測ったあとに、自分自身がおもりに乗ってから再度周期を計測して、学生を納得させる。
他にも、これは命がけですが、
「エネルギー保存の法則」を実証するために、工事現場で使う解体用の鉄球を天井から吊るす。そして、壁際に立ち、その鉄球を自分に引き寄せてから、そっと手を離す。外からエネルギーを加えていなければ、鉄球は一往復して、返ってきたとき、最初に手を離した位置と同じ高さまでしか行かないはずです。それを実際にやってみて、反対側から帰ってきた鉄球が自分の顔にぶつからないことを証明してみせる。
他にもいろいろと、どきどきする実験をするそうです。
このように、物理学を専攻する学生ではないので、式を覚えさせるとかではなく、物理学が自分たちの実世界とつながっていることを感動を伴って「実感」をさせる、それが、学生の今後にとって、有益だという信念のもとに行っているということで人気があるみたいです。
この本を読んでの気づいたことは、人に何かを伝えるときは、自分の持っている情報をフルスペックで伝えるのではなく、相手にとって役に立つことは何かということを考え、信念を持って伝えることの重要性です。
本の後半は、難しい内容がありますが、興味のある方は是非読んでみてください。