夏野 剛(たけし)さんて、ご存知ですか?
ご存知の方も多いと思いますが、日本において、携帯電話でネット環境を活用するきっかけになった、iモードを立ち上げたメンバーの一人です。現在は、慶応大学院の教授などをされています。
私は、結構この人の主張することに共感することが多いのですが、今回、略歴を調べてみると、どうも同じ年生まれとのことでした。
さて、この夏野さんが、朝日新聞に週に一回、逆説進化論というコラムを書いています。
先週末のコラムが、これなんですが、なるほど、そうだよな、と思ったので、紹介します。
よくマスメディアで、日本の中小企業の技術はすごい、そういう中小企業が沢山ある日本はすごい、という論調があるけれども、本当にそれでいいのか?という問題提起です。
確かに中小企業の持っている技術が要素技術となって、いろいろなブームを支えているけれども、じゃあ、なぜ、そんなにすごい技術を持っているのに中小企業のままなのか。
それは、中小企業の社長が、技術者として開発にのめりこんでいるからではないかと推測しています。
技術のプロは、必ずしも経営のプロではなく、本田宗一郎を経営面で支えた藤沢武夫のように、周りに経営感覚がある人がいれば、もう少し、企業として成長しているのではないか。そういう面からすると、経営戦略としては、失敗しているのではないかと言っています。
また、中小企業だけではなく、日本の大企業にも、もちろん素晴らしい要素技術があります。
それなのに、それらを組み合わせて、例えばiPhoneのように、新しい価値を生み出すことがなかなかできない。とても、もったいないことだとしています。
このコラムを読んで、少なくとも2つの観点があると思いました。
一つは、世間一般に言われていることを、そのまま鵜呑みにせずに、きちんと自分で考えているか、という点。
もう一つは、新しい価値を生むのは、技術的なブレークスルーだけではなく、既存のものの「新しい組み合わせ」からもできるということです。
これからも、多面的な方向から、自分で考えて物事を判断するようにしようと思いました。