3分間スピーチ:2014-12-17:折り紙技術を科学技術に応用

今日は、折り紙に関する話題提供です。

折り紙というと、子供の頃に鶴などを折った経験があると思います。海外でも、結構折り紙は人気があって、折り紙専門の芸術家もいるらしいです。海外でも、そのまま「Origami」で通じるそうです。

さて、今日紹介するのは、伝統的な折り紙でなく、折り紙の技術を科学技術に応用する話です。

最近、日本だけではなく、世界で、数学や物理、コンピュータの専門家などが研究を進めて、新たな折り方や理論を発表しているそうです。アメリカでは、国が17億円の研究開発費を投じたりしているとのことです。

結構様々な分野での応用が研究されているそうです。

まず、知っている方もいるかもしれませんが、「ミウラ折り」。これは、一枚ものの地図の折り畳みなどで使われていて、対角線部分を引っ張ると瞬時に広がり、折りたたむのも簡単という折り方です。このミウラ折りは、人工衛星の太陽電池パネルの開閉に利用されています。

それから、ロボット。形状記憶ポリマーを折りたたんだロボットが、内蔵のヒーターで温められて、昆虫のようなロボットの形になり、さらに秒速5cmで歩き始める、なんていうものも出来ているとのこと。これは、人の手を借りずに立体的に組み立てられるので、災害救助の時に、狭い場所に閉じ込められた人の救助や、危険な場所での活用が期待されているそうです。

医療分野では、動脈硬化などで狭くなった血管を広げるステントという筒状の医療器具があるんですが、「なまこ折り」という折り方で小さくしたステントを血管が狭くなった場所で、開くことによって、機能させるという研究もされているそうです。

建築分野では、平らな建材を折るようにして立体の建築物にする工法を研究しているそうです。これなら、建築時に足場を組む必要もないですし、工期もコストも抑えられる。使用後にたためば、仮設住宅などで何度も使える建築物になるなどの利点があるそうです。

一番身近なものだと、缶チューハイなどの缶で、山折り、谷折りが組み合わさったものを見たことがあると思いますが、あれも、「吉村パターン」という名前がついていて、缶の強度をあげる役割があるそうです。

このように、様々な分野で折り紙の技術が応用されているのですが、どのように折れば良いのかを、コンピュータで計算する研究分野を「Computational Origami」「計算折り紙」というそうです。

今回は、折り紙の技術が、最先端の科学技術に応用されている話をしましたが、他にも、伝統的な技術が、同じように科学技術に利用されているものもありそうですので、そのようなものを調べてみるのも面白いと思います。